広角レンズとは?特徴と選び方、効果的な使い方までわかりやすく解説

子どもとの思い出を写真に残したいけど、室内や狭い場所で1枚の写真に収めるのが難しいと感じたことはありませんか?この記事では広角レンズの特徴や選び方、効果的な使い方を解説します。記事を読めば広角レンズの選び方や使い方がわかり、子どもと距離が近くても風景や建物を入れた写真が撮れるようになります。

広角レンズのメリットを把握して、家族の思い出を魅力的に残しましょう。

目次

広角レンズとは標準レンズよりも広範囲を写せるレンズのこと

広角レンズは、標準レンズより広い範囲を写せるレンズです。広角レンズの一般的な使い方と広角レンズの種類について解説します。

広角レンズの一般的な使い方

広角レンズは、子どもとのお出かけなど日常の撮影からプロの現場まで幅広いシーンで活躍するレンズです。広角レンズは広い範囲を写せるため、広大な風景や建物全体を撮影できます。室内や狭い場所でも、広角レンズを使えば家族全員が収まる集合写真を撮ることが可能です。

運動会や発表会などの行事でも、広角レンズを使えば会場の雰囲気も含めて1枚に収められるため、思い出をより豊かに残せます。広角レンズと自撮り棒を組み合わせれば、いつも撮影側に回っている方も一緒に写真に写れます。

広角レンズを使えば、子どもが元気に動き回ってもフレームから外れにくく、しっかり撮影することが可能です。

広角レンズの種類

広角レンズの主な種類は以下のとおりです。

  • 広角レンズ
  • 超広角レンズ
  • 広角ズームレンズ
  • 広角単焦点レンズ
  • 魚眼レンズ
  • パンケーキ型広角レンズ
  • スマートフォン用広角レンズアタッチメント

通常の広角レンズは焦点距離が24~35mm程度で、日常的な風景や室内撮影に最適です。子どもの運動会や発表会など、通常の広角レンズは少し離れた場所からでも広い範囲を撮影できます。超広角レンズは焦点距離が14〜20mm程度で、広い範囲を写せます。

家族旅行での広大な景色や、狭い室内でも家族全員を入れた写真が撮りたいときには超広角レンズを使いましょう。広角ズームレンズは焦点距離を変えられるので、風景や建物の撮影に適しています。広角単焦点レンズはF値が小さく明るいので、室内や夕方でもきれいに撮影できます。

パンケーキ型広角レンズは薄くて軽いので、持ち運びやすさと使いやすさを重視する方におすすめです。スマートフォン用広角レンズアタッチメントは、スマホに取り付けるだけで広角撮影ができます。

広角レンズの特徴

広角レンズの特徴は以下のとおりです。

  • 広い風景や建物全体を写せる
  • 被写体との距離が近くても背景が広く写る
  • 遠近感が強調され奥行きのある表現ができる

広い風景や建物全体を写せる

広角レンズは、標準レンズでは収まりきらない風景や建物全体を1枚の写真に収められます。広角レンズを使うと、家族旅行で訪れた壮大な山々や海岸線、滝などの自然景観を臨場感たっぷりに写せます。「写真では伝わらない」と感じていた絶景も、広角レンズを使えば実際に目で見た印象に近い形で残すことが可能です。

運動会や発表会などの子どもの大切なシーンでも広角レンズは大活躍します。広角レンズを使えば、子どもだけでなく周囲の環境も含めた写真が撮れるので、撮影時の状況をより詳しく思い出に残せます。

被写体との距離が近くても背景が広く写る

標準レンズでは近くで撮ると背景が切れてしまいますが、広角レンズなら被写体に近づいていても周囲の風景を広く取り込めます。子どもの表情をしっかり撮りながらも背景の景色や建物も一緒に写せるので、思い出の場所の雰囲気まで残せます。

自撮りの場合も広角レンズを使えば背景をしっかり入れられるため、家族全員の姿と思い出の風景を一枚に収めることが可能です。広角レンズは近距離でも背景がぼけにくいので、場所の特徴をしっかり残した撮影ができる点も魅力です。

広角レンズを使えば、子どもの表情の細かな変化を捉えながら、撮影場所の雰囲気も鮮明に記録できます。

遠近感が強調され奥行きのある表現ができる

広角レンズで撮影すると手前の被写体が大きく、奥にある風景や建物が小さく写ります。広角レンズの特性を利用すれば、子どもの笑顔を大きく捉えながら背景の公園や観光地の景色も一緒に残せます。広角レンズで撮影するポイントは、以下のとおりです。

  • 子どもを画面の手前に配置する
  • 低い位置から上向きに撮影する
  • 直線的な被写体を斜めから撮影する

動画撮影でも広角レンズを使って移動しながら撮ると、遠近感の変化によってダイナミックな映像になります。子どもが遊具で遊ぶ様子を追いかけながら広角レンズを使って撮影すれば、臨場感あふれる動画にできます。
» 家族の大切な思い出を残す!ビデオカメラの適切な選び方

広角レンズの選び方

失敗しない広角レンズの選び方は、以下のとおりです。

  • 焦点距離とF値で選ぶ
  • センサーサイズとマウント規格で選ぶ
  • 手ブレ補正機能とオートフォーカスで選ぶ
  • サイズや持ち運びやすさで選ぶ

焦点距離とF値で選ぶ

焦点距離は広角レンズの広さを決める要素です。焦点距離が短い広角レンズほど、より広い範囲を収められます。広角レンズの一般的な焦点距離は16〜35mmで、14mm以下のレンズは「超広角レンズ」と呼ばれます。28mm前後の広角レンズが室内でも使いやすく、子どもとの家族写真など日常的な撮影に最適です。

ズームレンズと単焦点レンズの選択も重要です。ズームレンズは焦点距離を変えられるので、子どもの動きに合わせて構図を調整できます。単焦点レンズは画質が良く、明るい写真が撮れる点が特徴です。単焦点レンズはズームができないため、被写体との距離は自分が動いて調整する必要があります。

広角レンズのF値は明るさを表す数値で、F値が小さいほど明るいレンズです。F2.8以下の明るいレンズは暗い室内や夕方の撮影に強く、背景のボケを生かした写真が撮れます。F値が小さいとシャッタースピードが速く調整されるため、子どもの動きが速くてもブレた写真になりにくいです。

ただし、F値が小さい明るい広角レンズは価格が高くなる傾向があります。F4などの少し暗い広角レンズは比較的安価で軽量ですが、暗い場所では三脚などの補助が必要です。室内での撮影が多い場合は、暗い場所でもきれいな写真が撮れるF値の小さい明るい広角レンズを選ぶことをおすすめします。

センサーサイズとマウント規格で選ぶ

自分のカメラに合ったセンサーサイズの広角レンズを選びましょう。主なセンサーサイズには、フルサイズやAPS-C、マイクロフォーサーズなどがあります。大きいセンサーサイズ向けの広角レンズは小さいセンサーサイズのカメラでも使用できます。

小さいセンサーサイズに対応した広角レンズは、大きいセンサーサイズのカメラでは使用できません。フルサイズ用の広角レンズはAPS-Cカメラに取り付けられますが、APS-C用レンズはフルサイズカメラでは使えません。広角レンズを選ぶうえではマウント規格(※)も重要です。

カメラとレンズのマウント規格が一致していないと取り付けられません。代表的なマウント規格は以下のとおりです。

  • キヤノン
  • ソニー
  • ニコン
  • 富士フイルム
  • マイクロフォーサーズ

マウントアダプターを使えば異なるメーカーの広角レンズも使用できます。ただしオートフォーカスが効かなくなるなど、一部機能が制限される場合があるので注意してください。将来のカメラ買い替えも考慮して、長く使えるマウント規格を選ぶことをおすすめします。

※ マウント規格とは、カメラ本体とレンズを接続する部分の仕様のことです。レンズがカメラ本体に取り付けられるための物理的な形状やサイズ、ロック機構、電子接点などの規格を指します。

手ブレ補正機能とオートフォーカスで選ぶ

手ブレ補正機能とオートフォーカス(AF)性能は、子どもの一瞬の動きを逃さず撮影するために重要な要素です。手ブレ補正機能付きの広角レンズがあれば、子どもが走り回る場面や室内の薄暗い環境でもブレの少ない写真や動画を撮影できます。

三脚を使わない手持ち撮影が多い子育て世代には、手ブレ補正機能付きの広角レンズが特に役立ちます。運動会やステージ発表、誕生日パーティーなどの撮影でも、手ブレ補正機能付きの広角レンズを使えば安定した撮影が可能です。AF性能も子どもの表情を逃さず捉えるために欠かせません。

最新のAFシステムには、以下のような優れた機能があります。

  • 顔認識機能
  • 瞳AF
  • 追従性能

顔認識機能は子どもの顔を自動的に検出してピントを合わせ、瞳AFは目にピントを合わせて表情をより鮮明に捉えます。追従性能は動き回る子どもに常にピントを合わせ続けてくれます。動画撮影を頻繁に行う場合は、スムーズなAF追従性能が重要です。

ステッピングモーター搭載モデルは動画撮影時のAF動作がスムーズで、子どもの動きを自然に追いかけられます。手ブレ補正とAFの性能が高い広角レンズは、価格も高くなる傾向がある点に注意しましょう。日常的な家族の記録には、基本的な手ブレ補正とAF機能を備えた広角レンズでも十分に美しい思い出を残せます。

サイズや持ち運びやすさで選ぶ

小型・軽量な広角レンズを選ぶと、家族でのお出かけ時に負担になりません。300g以下の軽量モデルの広角レンズは、子どもと手をつないだり、荷物を持ったりしながらでも気軽に使えます。パンケーキレンズなどの薄型設計の広角レンズは、カメラバッグの中でもスペースを取りません。

子どもと一緒に公園や海などへ出かける場合は、防塵・防滴性能がある広角レンズを選ぶと安心です。予期せぬ天候の変化や砂場遊びなどでも、気兼ねなくカメラを使用できます。
» 子育て世代におすすめのカメラの種類と選び方を詳しく解説

広角レンズを効果的に使うポイント

広角レンズを効果的に使うポイントは以下のとおりです。

  • 被写体に近づいて迫力を出す
  • 水平を意識して撮影する
  • 被写界深度を活用する

被写体に近づいて迫力を出す

被写体から30cm〜1mまで近づいて広角レンズで撮影すると、遠近感が誇張され迫力のある写真が撮れます。子どもに近づいて広角レンズで撮影すれば、子どもの笑顔をアップで撮りながら、周囲の景色を一緒に収めることも可能です。ただし、被写体に近づきすぎるとゆがみが目立つため注意が必要です。

人物撮影では、顔の中心部から少し離れた方が自然な表情を捉えられます。広角レンズの特性を生かし、前景・中景・遠景をバランスよく配置することで、奥行き感のある印象的な写真を撮影できます。

水平を意識して撮影する

広角レンズは標準レンズよりも水平のずれが目立ちやすいため、水平を保って撮影することを意識してください。建物や海、地平線がある風景では、わずかな傾きでも画像のゆがみが目立つので注意しましょう。以下を活用すると、水平を保って広角レンズで撮影しやすくなります。

  • 水平線表示機能
  • グリッド表示
  • 建物の縦線や水平線
  • 三脚や一脚

スマートフォンやカメラの水平線表示機能を活用すると、傾きを確認しながら広角レンズを使って撮影できます。画面のグリッド表示をオンにして構図と水平を同時に確認するのも効果的です。建物の縦線や水平線を画面の端と平行にすれば、自然な印象の写真に仕上がります。

後から編集ソフトで水平を補正することも可能ですが、画質が劣化する場合があります。広角レンズできれいな写真を撮るには、撮影時に水平をしっかり合わせることが重要です。

被写界深度を活用する

被写界深度とは「ピントが合って見える範囲の奥行き」のことで、広角レンズは被写界深度が深いレンズです。広角レンズでF値を大きくすると被写界深度が深くなるので、前景から背景まで広い範囲にピントが合った写真が撮影可能です。

被写界深度を活用すると、手前にいる子どもから背景の風景まですべてにピントが合うため、遠くの景色までクリアに写ります。動き回る子どもでもピントを合わせやすく、きれいに撮影できます。F値を小さくすれば、子どもだけにピントを合わせて背景をぼかすなど、特定の被写体だけを際立たせることも可能です。

広角レンズを使う際の注意点

広角レンズを使う際は、以下の点に注意しましょう。

  • ゆがみに注意する
  • 周辺光量落ちに注意する
  • 構図のバランスに注意する

ゆがみに注意する

広角レンズを使って撮影すると、画像の周辺部に「樽型歪曲収差」と呼ばれるゆがみが発生しやすくなります。樽型歪曲収差とは直線が曲線に見える現象で、極端な広角になるほどゆがみは強く、特に画面の端で目立ちます。広角レンズで写真を撮る際は、以下の点に注意しましょう。

  • 大切な被写体は画面の中央付近に配置する
  • 極端に広い画角のレンズを使いすぎない
  • 建物を背景にする場合は垂直線の歪みに注意する

撮影後に写真編集ソフトでゆがみを補正することも可能ですが、補正すると画像の周辺部が切れてしまうデメリットがあります。広角レンズで撮影するときは、少し余裕を持たせた構図にしておくと安心です。

周辺光量落ちに注意する

周辺光量落ちとは、画像の中心部に比べて端の部分が暗くなってしまう現象のことです。広角レンズを使う際によく起こる現象で、特に明るい設定で撮影すると周辺光量落ちが目立ちやすくなります。周辺光量落ちを軽減するには、以下の方法が効果的です。

  • F値をF8〜F11に絞る
  • 周辺光量補正機能を使用する
  • RAW形式で撮影する
  • 人物を中央に配置する

最近のカメラや広角レンズには、周辺光量落ちの問題を自動的に補正する機能が搭載されていることが多くあります。設定メニューから「周辺光量補正」や「ビネット補正」を探してオンにしておきましょう。

構図のバランスに注意する

広角レンズでは画面の四隅までしっかり意識して構図を決めることが大切です。広角レンズは画面の端に行くほど被写体が小さく写るため、メインとなる被写体の配置には注意しましょう。子どもの撮影では、大人目線ではなく子どもと同じ高さからカメラを構えると、より自然な表情や動きを捉えられます。

難しく考えすぎず、家族の自然な表情や動きを大切にしながら撮影を楽しんでください。
» 360度カメラの基本から選び方、活用方法を解説

まとめ

広角レンズは家族写真や思い出づくりに最適なツールです。広角レンズは標準レンズより広い範囲を撮影できるので、いつも撮影者になりがちなパパやママも写真に写る機会が増えます。広角レンズを選ぶ際は、以下の点に注目しましょう。

  • 焦点距離とF値
  • センサーサイズとマウント規格
  • 手ブレ補正機能とオートフォーカス
  • サイズや持ち運びやすさ

広角レンズを使うときは、水平を意識して撮影することや被写体を画面の中央付近に配置することが大切です。広角レンズを使いこなせば、家族全員の笑顔が詰まった思い出づくりをより手軽に楽しめます。

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