動画の容量を小さくする方法がわからずに悩んでいる人は多くいます。子どもとの思い出を記録するためには、撮影した動画の容量管理が大切です。この記事では、動画容量を小さくするメリットやデメリット、方法を解説します。記事を読めば、スマホやパソコンの容量不足を気にせず、子どもの動画を撮影できるようになります。
動画容量を小さくするメリット

動画容量を小さくするメリットは以下のとおりです。
- ストレージを節約できる
- 動画のファイル共有がスムーズになる
- 編集やバックアップの手間を削減できる
- ダウンロードやアップロード速度が向上する
- WebサイトやSNSでの表示が軽くなる
ストレージを節約できる
動画ファイルは、写真や音楽よりも容量が大きいため、ストレージがすぐいっぱいになります。しかし、動画の容量を小さくすれば、スマホやパソコンなどのストレージを大幅に節約できるため、多くの動画を保存できます。
複数の動画を保存しても、スマホやパソコンの動きが遅くなりにくいことも、動画の容量を小さくするメリットです。ストレージを節約し、子どもとの思い出を残しましょう。
動画のファイル共有がスムーズになる

動画の容量を小さくすると、大切な動画を家族や友人と共有する作業が楽になります。容量が小さい動画は、送受信にかかる時間を短縮でき、通信量も軽減されます。動画の共有がスムーズになる場面は以下のとおりです。
- メールやLINEなどのツールで動画を送るとき
- パソコンやスマホ間で動画を移動させるとき
- クラウドストレージを使って動画を共有するとき
編集やバックアップの手間を削減できる
動画の容量を小さくすると、編集やバックアップにかかる時間を削減できます。動画の容量が小さい場合、編集ソフトに撮影した動画を取り込む作業をスムーズに進められるからです。編集した動画をパソコンやスマホに保存する時間も短縮できます。動画編集ソフトの動きがスムーズになることもメリットの一つです。
インターネット上の保存場所(クラウドストレージ)や、外付けの記録装置へのバックアップが短時間で完了する点も便利です。複数の動画ファイルを一度に扱う場合、処理にかかる時間も短くなります。
ダウンロードやアップロード速度が向上する

ダウンロードやアップロードにかかる速度が向上する点も、動画の容量を小さくするメリットです。動画の容量を小さくすると、動画の投稿速度が向上するため、撮った動画をすぐにSNSで共有したいときに役立ちます。家族や友人に動画を送る際、相手が動画をダウンロードする時間も短縮されるので便利です。
外出先で以前撮った動画を見たい場合も、読み込みが速くなるので快適に視聴できます。動画のダウンロードやアップロードの速度が向上すると、動画を快適に扱えるようになります。
WebサイトやSNSでの表示が軽くなる
WebサイトやSNSで動画を見てもらいやすくなる点も、動画の容量を小さくするメリットです。容量が小さい動画は、インターネット上で読み込む時間が短く済みます。動画の表示速度が向上すれば、Webサイトに訪れた人がページを離脱しにくくなります。
SNSのタイムラインでも表示速度が上がるため、多くの人に動画を見てもらえる点も動画の容量を小さくするメリットです。スマホなどの持ち運びできる端末で動画を見る場合、使うデータの量も少なくできるので、見る人にとっても親切です。
動画容量を小さくするデメリット

動画容量を小さくするデメリットは以下のとおりです。
- 画質が低下する
- 音質が劣化する
画質が低下する
動画の容量を小さくすると、映像をきれいに映し出すための情報が減少するので、画質が低下します。映像の細かい部分がぼんやりしたり、全体的にシャープさが失われたりする点に注意しましょう。子どもが動き回るシーンなど、動きの速い場面では、画面に四角い模様(ブロックノイズ)が現れるケースもあります。
暗い場所で撮影した映像は、ザラザラとしたノイズが増えたり、暗い部分が黒く塗りつぶされたように見えたりします。スマホの画面では気にならなくても、大きなモニターで再生すると、画質の粗さがわかる場合もあるため注意しましょう。
一度画質を落として容量を小さくした動画は、元の状態に戻せません。元の高画質なデータは、容量を小さくした動画とは別に保存しておきましょう。
音質が劣化する
動画の容量を小さくすると、音質が悪くなる点にも注意が必要です。動画の容量を小さくする際、音の情報も一部削られてしまうことが、音質が劣化する原因です。動画の音質が劣化すると、音がこもって聞こえたり、雑音が目立ったりします。
動画の容量を小さくしすぎると、音が割れたり歪んだりする可能性もあるので注意してください。大切な思い出の音をきれいに残すために、動画の容量を小さくする際は、音質の変化も頭に入れておきましょう。
動画容量を小さくする方法

動画容量を小さくする方法は以下のとおりです。
- 動画の解像度を下げる
- 動画のビットレートを下げる
- 動画のフレームレートを下げる
- 動画の不要な部分をカットする
- オーディオトラックを削除する
- 圧縮率の高いコーデックに変換する
動画の解像度を下げる
解像度を下げると、動画の容量を小さくできます。解像度は、動画の画面のきめ細かさを表すもので、解像度の数字が小さいほど、動画の容量は軽くなります。動画のきめ細かさを示す数値は以下のとおりです。
- フルHD(フルハイビジョン):1920×1080
- HD(ハイビジョン):1280×720
- SD(標準画質):720×480など
フルHDで撮影した動画をHDの解像度に下げるだけでも、動画の容量をかなり小さくできます。スマホで見返す程度であれば、HD画質でも十分きれいに楽しめます。解像度の変更は、動画編集ソフトやスマホのアプリで簡単に行えるため、初心者でも安心です。
動画の元データは高画質のまま残しておき、普段の視聴用や、家族や友人との共有用に解像度を下げた動画を作成しましょう。解像度を下げると、動画をスムーズに送れます。ただし、解像度を下げすぎると、映像が粗くなるため、ちょうど良いバランスを心がけましょう。
動画のビットレートを下げる

動画のビットレートを下げる方法も、容量を小さくする際に役立ちます。ビットレートは、動画1秒当たりに含まれる情報の量です。ビットレートの数値が高いほど画質は鮮明になりますが、動画の容量も大きくなります。反対に、ビットレートの数値が低いほど動画の容量は小さくなりますが、画質は低下します。
ビットレートは、動画編集ソフトや専用の変換ツールで調整可能です。ツール内でビットレートに関する設定項目を見つけ、数値を変更しましょう。スマホで見返す程度であれば、ビットレートを多少下げても画質の変化は気になりません。
動画のフレームレートを下げる
動画のフレームレートを下げると、動画の容量を小さくできます。フレームレートは、1秒間に表示される静止画の枚数(コマ数)です。フレームレートを下げると、動画全体の容量を減らせます。フレームレートは、動画編集ソフトやアプリで動画を保存する際に変更可能です。
子どもの普段の様子を撮影した動画なら、1秒間に30枚の静止画(30fps)があれば、十分なめらかに見えます。動きの少ない場面では、1秒間に24枚の静止画(24fps)までフレームレートを下げて問題ありません。フレームレートを半分にした場合、他の設定が同じなら、動画の容量も約半分になります。
ただし、フレームレートを少なくしすぎると、動画の動きがカクカクと見えるため注意が必要です。プレビューで確認しながら、ちょうど良いフレームレートを探しましょう。
動画の不要な部分をカットする

動画の不要な部分をカットする方法も効果的です。撮影した動画の不要な部分を取り除くと、動画の再生時間が短くなるため、結果的に動画の容量も小さくなります。動画でカットすべき部分は以下のとおりです。
- 録画開始・停止時の不要な部分
- 見づらいシーン(ピントずれ、手ブレ)
- 単調な場面や長すぎる間
- 楽しくない部分(子どもがぐずっている場面や集中が切れているシーン)
動画の不要な部分をカットすると、見たい場面がすぐに見つかるので、家族で思い出を振り返りやすくなります。動画のカットは、スマホにもともと入っている機能や、無料で使えるアプリで簡単に行えます。
オーディオトラックを削除する
動画に入っている音を消す方法も、動画の容量を小さくする選択肢の一つです。動画の音も容量の大きさに関係しているため、音を消せば動画の容量は小さくなります。オーディオトラックの削除は、運動会で周りの応援の声が大きすぎて、子どもの声がほとんど聞こえない動画などで活用しましょう。
きれいな風景の動画に後から音楽をつけたい場合にも活用できます。音がない映像だけでも問題ないかを確認してから、オーディオトラックを削除しましょう。大切な子どもの声や、思い出の会話まで消してしまわないように注意してください。オーディオトラックの削除は、動画編集ソフトやアプリで行えます。
圧縮率の高いコーデックに変換する
圧縮率の高いコーデックに変換すると、動画の画質をできるだけ保ちながら、動画の容量を小さくできます。コーデックは、動画の容量を小さくしたり、見るときに元の状態に戻したりするための技術やルールです。新しい種類のコーデックほど、より効率的に動画を小さくする仕組みを備えています。
代表的なコーデックは「H.265/HEVC」です。以前よく使われていた「H.264/AVC」と同等のきれいな画質を保ちながら、動画容量を約半分にできます。iPhoneを使用している場合、設定によっては最初から「H.265/HEVC」で動画が保存されている可能性もあります。
動画が古いコーデックで保存されていても心配ありません。パソコンの動画編集ソフトや専用の変換ツール、スマホのアプリを利用すれば、圧縮率の高い新しいコーデックに変換できます。ただし、古い再生機器やソフトウェアの場合、新しいコーデックに対応していないケースもあるため注意が必要です。
動画を圧縮するためのツール

動画の容量を手軽に小さくできる便利なツールを紹介します。WindowsやMac、スマホで動画を圧縮したい人は参考にしてください。
Windows向け動画圧縮ツール
Windowsで利用できる代表的な動画圧縮ツールは以下のとおりです。
- VideoProcConverter
- PowerDirector
- VideoSmaller
- Any Video Converter
Mac向け動画圧縮ツール

Mac向けの動画圧縮ツールは以下のとおりです。
- iMovie
- HandBrake
- Permute
- Adapter
- QuickTimePlayer
スマホ向け動画圧縮アプリ
スマホで動画圧縮をする際に役立つアプリは以下のとおりです。
- CapCut
- 動画圧縮 (MobileIdea Studio)
- かんたん動画圧縮
- InShot
- Video Compressor Panda
- Compress Videos & Resize Video
動画の圧縮に関するよくある質問

動画の圧縮に関するよくある質問は以下のとおりです。
- 圧縮後の画質劣化を避ける方法は?
- 圧縮した動画のファイル形式はどれが良い?
圧縮後の画質劣化を避ける方法は?
ビットレートや圧縮方法などに注意すれば、きれいな画質のまま動画容量を小さくできます。ビットレートは画質に大きく関わる設定のため、極端に下げすぎないようにしましょう。動画の場面に応じて自動でデータ量を調整できる可変ビットレート(VBR)を使うと、きれいな画質を保てます。
動画の解像度やフレームレートは、できるだけ元の動画と同じ設定を保ちましょう。動画を何度も圧縮すると、圧縮するたびに画質が悪くなるため、圧縮作業は一度で済ませてください。「H.265/HEVC」など、少ないデータで高画質を保てる新しい圧縮方法(コーデック)を活用しましょう。
圧縮した動画のファイル形式はどれが良い?
圧縮した動画のファイル形式によって、動画を見られる機器や画質、容量が変わります。動画をどのように使いたいか、どの機器で見る機会が多いかを考え、自分に合ったファイル形式を選びましょう。おすすめのファイル形式は以下のとおりです。
- MP4
- MOV
- HEVC
最も一般的なファイル形式は、MP4形式です。MP4形式は、ほとんどのスマホやパソコン、SNSで再生できます。画質もきれいで、動画容量も適度に小さくできるバランスの良さが魅力です。ファイル形式に迷ったら、MP4形式を選択しましょう。
iPhoneやMacを使用している場合、Apple製品と相性が良いMOV形式もおすすめです。MP4形式と同じく、きれいな画質を保ちながら、動画の容量を小さくできます。より新しい技術のHEVC形式も選択肢の一つです。HEVC形式は、MP4形式と同等の画質を保ちながら、動画の容量をさらに小さくできます。
ただし、古いスマホやパソコンでは再生できない場合があるため注意しましょう。各ファイル形式の特徴を参考にして、最適なファイル形式を選択してください。
まとめ

動画の容量を小さくすれば、スマホやパソコンの保存容量を気にせずに、子どもの動画を撮影できるようになります。撮影した動画を家族や友人に共有する際も、動画の容量が小さければスムーズに行えます。ただし、動画の容量を小さくしすぎると、画質や音質が低下する点に注意してください。
動画の解像度やビットレート、フレームレートなどを適度に調整し、子どもとの思い出をたくさん残しましょう。
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