- 撮りっぱなしの動画データがどんどん溜まっていく
- 思い出の動画にいつも自分が映っていない
- 動画編集って難しそうだし、時間もない
子どもの成長はあっという間なので、貴重な瞬間を動画で残したいと思うパパやママは多いのではないでしょうか。しかし、自分が撮影係になると動画の中に入れないことに悩む人もいるはずです。この記事では家族みんなで動画に映りたい人におすすめの「360度動画」を紹介します。
記事を読めば、臨場感あふれる360度動画を手軽に撮影できるようになります。周囲の様子を一度に記録できるため、見るたびに新たな発見がある点も360度動画の魅力です。記事の内容を活用して、未来まで残る「思い出」という宝物を増やしましょう。
360度動画の基礎知識

360度動画とは、空間全体を記録できる撮影方法のことです。周囲360度の景色を一度に捉えられるため、通常の動画よりも臨場感のある思い出を残せます。360度動画について以下の基礎知識を解説します。
- 360度動画の仕組み
- 360度動画を撮る目的
- 360度動画とVR動画の違い
360度動画の仕組み
360度カメラには複数のレンズが搭載されており、同時に周囲360度の風景を捉える設計となっています。それぞれのレンズで撮影された映像は、カメラ内部や専用のソフトウェアによって自動的につなぎ合わせられます。異なる角度で撮った複数の映像が、1つの継ぎ目のない360度動画へ仕上げられる仕組みです。
360度動画は、大きな風船の内側全体に景色が貼り付けられたような球体の形をしたデータとして保存されます。以下の方法で360度動画内の好きな方向を自由に見渡せます。
- スマートフォンを傾ける
- パソコン画面上でマウスを動かす
- VRゴーグルで見たい方向を見る
360度動画では球体映像の内側から見ているような臨場感を味わえます。
» 360度カメラの基本から選び方、活用方法を解説
360度動画を撮る目的

360度動画を撮る一番の目的は、後で視聴したときに現場の雰囲気を追体験できるような記録を残すことです。撮影係のパパやママも360度動画なら一緒に映れます。現場にいる全員が主役になり、同じ瞬間に起こる複数の出来事を一度に記録できる点が360度動画の魅力です。
360度動画では、子どもの自然な表情や周りの景色も見逃すことなく撮影できます。家族の大切な時間をより豊かに記録したいと考えるパパやママにおすすめの撮影方法です。
360度動画とVR動画の違い
360度動画とVR動画は、使用目的や楽しみ方に違いがあります。日常を気軽に記録できる360度動画と比べて、より特別な体験の提供に重きを置いている点がVR動画の特徴です。360度動画はスマートフォンやパソコンで手軽な視聴が可能です。画面を指でなぞったり、マウスで動かしたりして視点を自由に変えられます。
VR動画は専用のゴーグルをつけて見ることが一般的です。ゴーグルをつけると、映像の世界に入り込んだような強い没入感が得られます。VR動画はコンピューターで作られた架空の世界の探索など、ゲームに近い体験に使用される場合が多くあります。
360度動画のメリット

360度動画のメリット3点を紹介します。
- 没入感が高い
- 広範囲の情報を提供できる
- 他の動画と差別化できる
没入感が高い
360度動画では空気感や出来事を丸ごと保存でき、後から見返したときに当時に戻ったような没入感が得られます。通常の動画では視聴者は第三者になりがちですが、360度動画ではカメラの中心に立つ感覚になります。360度動画で周囲を見渡すことで、時間や空間の再体験が可能です。
360度動画では子どもが後ろから駆け寄ってくる足音、家族の笑い声などがすぐ近くに感じられます。空気感や感情までリアルに感じられる記録を残せる点は、360度動画の大きな魅力です。
広範囲の情報を提供できる

360度動画ではカメラの周り360度すべてを同時撮影できるため、普通のカメラでは切り取られる部分まで記録できます。イベント時に360度動画を撮影すれば、全体の雰囲気と家族一人ひとりの様子の同時記録が可能です。子どもの生き生きとした表情だけでなく、パパやママの反応まで映像に含められます。
360度動画を使えば、カメラの向きを気にせずに子どもが自由に動き回る姿の撮影が可能です。後から360度動画を見ると、撮影時には気付かなかった新しい発見ができます。360度動画では1つの動画でさまざまな角度からの情報が得られるため、より豊かな思い出の記録が可能です。
他の動画と差別化できる
360度動画には一般的な動画にはない以下のユニークな要素があります。
- 撮影者も参加できる
- 撮影後に視点や拡大範囲を編集できる
- 空間全体の雰囲気や臨場感を記録できる
- 動画を見るたびに視点を変えられる
何度見ても新しい発見があり、長く楽しめる点が360度動画の魅力です。子どもの目線になってみたり、撮影時に気付かなかった可愛い表情を見つけたりなどの楽しみ方ができます。
360度動画のデメリット

360度動画のデメリットとして以下の3点を解説します。
- 制作コストが高い
- 編集が難しい
- データ容量が大きい
制作コストが高い
360度動画の制作には専用の機材やソフトが必要なため、通常の動画撮影よりも制作コストがかかる場合があります。具体的には以下のコストが発生します。
- 専用カメラ
- 編集用の高性能なパソコン
- 多機能な動画編集ソフト
- 動画データ保存用の追加ストレージ
- 三脚やカメラを取り付ける道具など
360度動画はファイルサイズが大きいため、保存や編集には高性能なパソコンや大容量ストレージが必要です。視点の切り替えや補正を行う編集には、有料ソフトが必要になる場合もあります。ブレを防ぐための三脚や、カメラを頭や胸に固定するマウントなどの機材があるとより安定した撮影が可能です。
360度動画の初期コストは通常の動画に比べると高めですが、一度環境を整えれば高品質な動画を撮り続けられます。
編集が難しい

360度動画の編集では、専用ソフトの使い方を新たに覚えなければいけません。複数のカメラで撮った映像を自然につなぎ合わせる作業には慣れが求められます。高画質な360度動画はデータが重くなりやすいため、通常の動画よりも編集作業に時間がかかる場合もあります。
動画編集に慣れていない人や、忙しい人にとって編集のハードルが高くなる点は360度動画のデメリットです。
データ容量が大きい
360度動画は通常の動画よりも情報量が多く、ファイルサイズが数倍~数十倍になる場合があります。360度動画を保存するだけで、スマートフォンやパソコンのストレージがすぐにいっぱいになる場合があります。オンラインのストレージサービスに保存する場合に長い時間がかかる点も、360度動画のデメリットです。
家族や友達にデータ共有する場合には、データが大きすぎてスムーズに送れない可能性があります。360度動画は高画質な一方で、保存や共有に手間がかかる可能性があることを覚えておきましょう。
360度動画の制作方法

360度動画の制作方法を以下の5つのステップに分けて解説します。
- 360度カメラを準備する
- パソコン・動画編集ソフトを用意する
- 撮影日と撮影場所を決める
- 動画撮影を行う
- 編集ソフトで動画を書き出す
360度カメラを準備する
家族の大切な思い出を手軽に残すためには、360度カメラ選びが欠かせません。360度カメラを選ぶ際は以下のポイントに注目しましょう。
- 手ブレ補正機能
- スマートフォン連携
- 自動編集やAI機能
- 映像の解像度と画質
- 本体サイズ
- バッテリー持続時間
360度カメラで動き回る子どもを撮影したい場合は、カメラの扱いやすさや手ブレ補正機能が重要です。忙しい人には360度動画の編集を手軽にする機能が役立ちます。
パソコン・動画編集ソフトを用意する

360度動画用のパソコンや動画編集ソフトを用意する際は、必要なスペックと機能を見極めることが大切です。パソコンは以下のスペックを用意すると、スムーズな編集ができます。
- GPU搭載
- メモリ(RAM):16GB以上
- CPU:Core i7以上またはRyzen 7以上
- ストレージ:SSD
- ストレージ容量:512GB以上
多くの360度カメラには、メーカーが提供する専用ソフトやアプリが付属しています。無料ソフトは基本機能を備えた初心者向けです。さらに凝った編集がしたい場合は、有料の360度動画用ソフトの導入も検討しましょう。
撮影日と撮影場所を決める
撮影日と撮影場所は、360度動画の映像の質や撮影の楽しさに影響を与える重要な要素です。子どもの生活リズムを考慮し、お昼寝や食事などに支障がない時間帯に360度動画を撮影しましょう。小さな子どもがいる場合は人が多すぎず、安全に気を配れる撮影場所を選ぶ必要があります。
360度カメラの臨場感を生かすためには、見晴らしの良い場所や子どもが自由に動き回れる場所がおすすめです。旅行や帰省の機会では、普段とは違う景色や貴重な体験を記録できるため、360度動画撮影の絶好のチャンスです。
水族館や屋内型の遊園地などは天候に左右されにくく、360度動画の撮影を計画どおり進めやすいメリットがあります。施設によっては動画の撮影に許可が必要な場合があるため、事前に確認しておきましょう。
動画撮影を行う

360度動画の撮影を成功させるためには、以下のポイントを意識することがおすすめです。
- 撮影前にバッテリーと保存容量を確認する
- 安定した場所にカメラを置く
- カメラの周りに邪魔な物がないか確認する
- カメラの明るさの設定を調整する
- 本番前に試し撮りをする
広範囲がきれいに映る場所を選んで360度カメラを置きましょう。子どもたちがカメラを気にせずに普段どおりでいられる位置を選ぶこともポイントです。360度動画は場面ごとに短く区切って撮影すると、編集がしやすくなります。
» 動画の撮り方を機材やシーン別に徹底解説!
編集ソフトで動画を書き出す
未編集の映像には不要なシーンが含まれていたり、一番見せたいポイントがわかりにくかったりすることがあります。編集ソフトを使えば、撮影した360度動画を高品質な作品として仕上げられます。360度動画を編集する際の主な手順は以下のとおりです。
- 素材を読み込む
- 不要なシーンをカットする
- 注目してほしい部分に視点を誘導する
- 音楽やテロップを加える
- 色調や明るさを調整する
- 動画を書き出す
忙しいパパやママでも短時間で少しずつ進めれば、360度動画の編集を負担なく楽しめます。「今日はテロップだけ」「明日は音楽だけ追加」というように、作業を小間切れにすることがおすすめです。子どもが寝た後に夫婦で一緒に思い出を振り返りながら編集すれば、編集作業も素敵な時間の一つにできます。
360度動画の視聴方法

以下の3つの360度動画の視聴方法を紹介します。
- スマートフォンでの視聴
- パソコンでの視聴
- VRゴーグルでの視聴
スマートフォンでの視聴
スマートフォンがあれば、特別な機材を用意しなくても360度動画の手軽な視聴が可能です。スマートフォン本体の向きを変えれば、360度動画内で周囲360度を見渡せます。画面を指でなぞるように動かすと、自分の見たい方向に視点を向けられます。
360度再生用に最適化された専用アプリを使用すれば、動画のブレやカクつきを減らして快適な視聴が可能です。サムネイル付きのタイムラインや、視点マークなどの便利機能を備えている専用アプリもあります。手元のスマートフォン1つで、いつでも臨場感のある360度動画を楽しめます。
パソコンでの視聴

パソコンに360度動画を映し出せば、家族みんなで思い出の共有ができます。パソコンがインターネットにつながっていれば、動画共有サイトから360度動画の視聴が可能です。360度動画を快適に視聴するためには、最新版のウェブブラウザ(※1)を使うことがおすすめです。
一部の動画サイトや専用プレーヤーでは、動画をダウンロードしてオフライン再生もできます。パソコンで視聴する場合は、360度動画の画面上でマウスをドラッグ(※2)すると好きな方向を見渡せます。キーボードの矢印キーや「W・A・S・D」キーでも視点の操作が可能です。
フルスクリーン表示で360度動画を画面いっぱいに表示すると、より映像に集中しやすくなります。
※1 ウェブブラウザとはインターネットを見るためのソフトのことです。代表的なソフトにはChrome、Firefox、Edgeなどがあります。
※2 ドラッグとはクリックしたままマウスを動かすことを指します。
VRゴーグルでの視聴
VRゴーグルで360度動画を視聴すると、顔の動きに合わせて映像が広がり、大切な思い出の追体験ができます。スマートフォンやパソコンなどの平面的な画面よりも、映像の中に入る感覚を得られる点がVRゴーグルの特徴です。VRゴーグルを使用すれば、手を伸ばせば届きそうな距離感で大切な家族の時間を振り返れます。
VRゴーグルには、価格帯や品質の違いによって多様な製品があります。スマートフォンをセットするだけで使用できる軽量タイプのVRゴーグルは、手軽に使用してみたい人におすすめです。高画質・高性能な専用ゴーグルは高価ですが、鮮明な映像と広い視野による没入感が体験できます。
VRゴーグルは長時間使用すると酔う人もいるため、10〜15分ほどを目安にこまめな休憩を挟みながら楽しみましょう。
まとめ

360度動画は、かけがえのない家族の思い出を特別な形で残す方法の一つです。没入感が高く、広範囲の情報を一度に記録できる点が360度動画のメリットです。「撮影係のパパやママが動画に映らない」といった悩みも、360度動画によって解決できます。
360度動画の撮影は、通常の動画よりも初期コストがかかる点やデータ容量が大きい点に注意が必要です。より高品質な360度動画を撮るためには、機材や撮影日・撮影場所の選定も重要なポイントです。いつ振り返っても撮影時の追体験ができる360度動画で、家族のかけがえのない瞬間を鮮やかに保存しましょう。
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